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長寿国の老人は腸内細菌が若い

 今から90年前、フランス・パスツール研究所のティシェ博士は、母乳栄養児の便からビフィズス菌を発見し、健康な母乳栄養児はビフィズス菌が最も優勢であることを発見したのでした。1899年のことです。
  赤ちゃんは、お母さんの体内では全くの無菌状態で育っていますから、赤ちゃんの腸には菌がいません。
 ところが、赤ちゃんが生まれたあと腸の中に外界からの雑菌が増え始めますが、生後3〜4日から善玉菌のビフィズス菌が増えてきて、5日過ぎるころには圧倒的に優勢となり、他の雑菌や病原菌を追い払うようになります。
 これが私たちの腸内細菌によるガードマン誕生といわれるものです。
 まだ抵抗力の弱い赤ちゃんの健康も、善玉菌が病気の汚染から守ってくれますが、赤ちゃんの便がきれいな黄金色で、いやな臭いをしないのは、これらガードマンたちが腐敗を起こす悪玉菌を抑えてくれているからです。
 乳児から乳幼児へと成長し離乳食が始まってくると、悪玉菌がある程度増えてきますから便の色や臭いも少し変化してきます。
 それでも、健康な成人は同じ様に善玉菌が多く、私たちの腸を守るだけでなく、免疫力を高めて自然治癒力を強化し、病気にかかりにくくしてくれているのです。

    ※ 腸内細菌の働きなどを説明してるよ!クリックしてみて 腸内細菌のあれこれ

  長寿者の多い旧ソ連のアブハジア自治州で、その長寿者たちについての調査結果が〈表−1〉〈表−2〉です。 


〈表−1〉旧ソ連アブハジア自治州
年齢(人数) 穀類 トウモ
ロコシ
インゲン
精麦
(大麦)
野菜 果物 牛乳 醗酵乳 濃縮酸乳クリーム
60−74(68) 171.4 159.2 47.5 23.1 196.5 144.3 444.1 95.5 3.6
75−89(64) 151.6 122.5 29.6 15.9 140.6 163.2 418.9 117.0 3.9
90歳以上(46) 145.9 118.4 47.5 14.7 160.0 174.5 472.6 107.4 2.7

年齢(人数) クリーム状の油・バター 肉類 魚介類 砂糖 植物性
脂 肪
ワイン ウオッカ
60−74(68) 17.0 67.2 5.5 33.3 5.4 20.0 114.8 5.5
75−89(64) 16.7 38.5 2.2 30.7 3.6 13.2 53.7 7.3
90歳以上(46) 9.5 35.1 2.4 32.2 4.8 14.8 18.2 4.1

           

〈表−2〉アブハジア自治州住民の年齢別腸内常在叢の構成
年齢(歳) 腸 内 容 物 1 g 中 の 細 菌 数
Lactobacillus Enterococcus群 Bifidobacterium Bacillus群
範囲 平均 範囲 平均 範囲 平均 範囲 平均
1〜16 10〜10 6×10 10〜10 4×10 10〜10 5×10 10〜10 2×10
17〜55 10〜19 1×10 10〜10 1.7×10 10〜10 5×10 10〜10 3×10
60〜74 10〜1010 7×10 10〜1010 5×10 10〜10 4×10 10〜10 1×10
75〜89 10〜1010 3×10 10〜10 1.4×10 10〜10 1×10 10〜10 3×10
90〜105 10〜1012 4×10 10〜1010 8×10 10〜10 5×10 10〜10 1×10


 一般に老人になると善玉菌が減って悪玉菌が増えてきますがアブハジアの長寿者たちは、90〜105歳になっても、腸内の善玉菌は非常に多くて特にエンテロコッカス菌(腸球菌Enterococcus)や乳酸菌(Lactobacillus)、ビフィズス菌(Bifidobacterium)が、若い人たちと比べても大きな違いがないことに驚かされます。
 腸内細菌の権威である光岡知足博士は、かつて日本の長寿村として知られた山梨県の上野原町棡原の、長寿者たちについて同じように調査した結果、善玉菌が多いことと、さらに悪玉菌との割合は東京都の老人ホームの老人に比べて、東京都の青荘年のそれに近く、老人ホームの人たちよりも腸が若いことを報告しました。
 このように、長寿の人たちの腸内細菌は善玉菌が優勢であることがよくわかります。
 メチニコフ博士やダラキシビリ博士、さらに光岡博士の示すように、世界的に長寿者の腸には善玉菌が優勢であることは、自然治癒力と深く関係し、免疫力や循環器の血行、さらにはガンに対しても、成人病を予防する大きな要因であることが指摘されています。
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健康と若さは腸から生まれる 人の寿命と自然治癒力 日本の三大成人病

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