株式会社清和物産

ホタルの光はダテではない!

    

 「ホッ、ホッ、ホータルこい」と、あちらの川原にもこちらの川原でも、小さなタモを持って、夜空に輝くホタルの光を採集に行ったものである。

 戦前夏の風物詩として、全国いたるところで見られたこの光景が、農薬の被害で一斉に影をひそめてしまい、淋しい思いが続いた。やっと最近、一部の地方に復活しつつあるのは喜ばしいことである。

 ホタルの生息できる条件としては、美しい水とエサになるカワニナがあることだ。カワニナは川蜷とも描き、蜷は字のとおり「小さな巻き貝」という意味で、この貝は農薬などにとても弱い。ホタルの出現は自然環境を守るバロメーターであり、カワニナが棲める水があるかどうかがカギとなる。

 さて、ホタルはなぜ光るのかについては、20世紀の初めから学者の間で「光はオス、メスの合図である」、「合図ではない」という二つの説に分かれ、論議を呼んできた。
 研究家の観察によると、飛んでいるオスは1分間に24〜30回の明滅を繰り返し、発光は強弱のリズミカルな連続で、1回の光る周期は2秒から2.5秒と短い。その照度も一番明るいときで2〜3ルクスだといわれる。

 光が強い時はスピードが落ち、体をタテにして川岸に向かって飛びながら、他の発光を認めるとそれに向かって進む。発光するのがオスであっても飛んでゆくが、相手がメスの場合には、オスは1.5メートルも離れているところから急にスピードを落として、メスの近く15センチほどの葉にとまる。そこからゆっくりと歩きながらオスはメスに近づき、メスもまたオスに接近する。

 飛んでいる光と違った独特の明滅をしながら、それがお互いのOKサインのようにして交尾する。交尾中は光は弱く、次第に消えてゆく。これは実験用の屋内でも同じ結果で、光を見てオス、メスが相寄ることから、明らかに異性を求めるための信号光と認められる。こうしたことからホタルの発光がダテでなく、崇高な生命のいとなみであることが実証された。

 我々の健康を守る環境はホタルの生息とまたイコールであり、絶滅させることになれば、本当に悲しい「ホタルの光」のメロディーである。
◇◇ その他の項目 ◇ ◇
イセエビは長寿のシンボル ミズスマシの目は生物イチ
ツルは千年、カメは万年 渡り鳥のエネルギー効率はコンピュータ並の正確さ
バランスのよい食事と睡眠が百獣の王の秘訣 くじらの世界では老を敬い、幼きを守る
豊かな食性やストレスをためない泳ぎ方が長寿の秘訣 虫も食わぬ汚染米
少量なら酒は『百薬の長』 ホタルの光はダテではない
魚たちは夏バテ知らず 人間も動物も睡眠・運動・休養・食事そしてストレス解消が健康の秘訣