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バランスのよい食事と睡眠が
百獣の王の秘訣?

| 私たちは子供の頃から、百獣の王ライオンは典型的な肉食動物と聞かされてきたが、学者の調べによると、間接的には草食動物でもあるとのことだ。 トラやヒョウなどネコ科の動物はほとんど単独行動をしているが、ライオンは例外で、プライドと呼ばれる群れをつくって共同生活を営む。父親はもっぱら、メスや子供たちの安全を確保するため警戒心が強く、ガード役である。それに比べて母親は獲物を家族に食べさせるためのハンターの役割がある。 例えばシマウマを追いかけた時、シマウマのほうが逃げ足が速く、ライオン一頭ではめったに捕まえることはできない。そこで母親のガールフレンドが助け合いをする。行く手の茂みに待ちぶせをしていて、突然襲いかかり、フラフラになったところを、最初に追いかけた母親が最後の一撃を加えて倒すのだ。 母親がシマウマの腹を開け、子供を呼んで最初に食べさせるのは肉ではない。シマウマはサバンナで草を食べているが、先程まで食べていた草が、まだ胃袋の中に未消化のまま柔らかく残っている。それをまず子供に食べさせるのだ。次に、家族で内蔵を平らげ、肉はほんの少し食べる程度である。時には菜食もし、栄養のバランスを図っているという。 日本人は最近、欧米の食生活に近い肉食が多くなった結果、動物性蛋白のとりすぎで肥満が増えつつあるのは考えものだ。適当に野菜も食べて、栄養のバランスを考える必要がある。 食事の後、ライオンたちはテリトリーに引きあげて昼寝をする。ライオンはネコ科だから、二十四時間のうち十六時間睡眠をとらないと体がもたない。ライオンの場合、ゴロゴロ寝ているのが自然なのである。ほかによく寝る動物というと、パンダもそうで十六時間眠る。だからパンダの散歩の場面になかなか当らない。また夜行性のコアラも同じく、十六時間ぐらい眠るのだ。ライオンもパンダもコアラも、よく睡眠をとって、自らの生体リズムをくずさず、自然体で生きている。 この辺は人間も大いに見習いたいところである。 |