株式会社清和物産


緑内障(あおそこひ)


 さまざまな原因によって、目のなかの圧力(眼圧)が正常値(10〜21ミリ)以上に上がり、視神経と呼ばれる大切な神経がしだいになえていく病気です。神経がなえるにしたがって、みえる範囲(視野)や視力が衰えていきます。眼圧の上がり方が急激だと、数日で失明してしまうこともあります。反対に眼圧の上がり方によっては、数10年かかって徐々に進むこともあります。

 正常の人では、目に入ってくる水分(房水)量と目から出ていく水分量のバランスがとれているので、眼圧は正常に保たれています。しかし、多くの緑内障では水分が目から出ていくところ(隅角)に異常がおこって、水の流れが妨げられて眼圧が上がると考えられています。

 そして、この目のなかの水の流れの妨げられ方によって、緑内障はいろいろな種類に分けられています。それぞれ対処のしかたが違うので、細かい病名ごとに述べます。


医師のかかり方
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 緑内障は生涯にわたる管理を必要とします。したがって、信頼できる医師の選択がとても大切です。地元に緑内障にくわしい医師がいれば、主治医になってもらうのがよいと思います。近くの医師が緑内障の専門医でなければ、その医師から紹介状をもらい、紹介された医師のところで年に数回検査を受け、その間は地元の医師にみてもらうようにするのも1つの方法です。

緑内障の治療薬はいくつかありますが、いずれも眼圧を下げる効果のほかに、なんらかの副作用をもっています。なかには、使うとかえってみづらくなり、病気が進んだと錯覚させるような薬もあります。
こうした薬を長く使うわけですから、患者と医師の信頼関係は不可欠のものです。
 
薬がほぼ決まったら、それをきちんと使うことが大切です。診断を受けた当初は薬を規則正しく使っていても、気のゆるみからしだいに不規則になりがちですが、これは感心できません。

 緑内障では、失われたものは戻らないことを肝に銘ずるべきです。また、自分の使っている薬の名前や、自分の眼圧、視野の状態をある程度知っておいたほうがよいと思います。

 こうしたことは、主治医が診察の際に話してくれるはずです。緑内障の管理を、医師とともに自分で行なうという心構えが大切です。


生活上の注意
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 緑内障だからといって、日常生活でとくに注意しなければいけないことはありません。健康的で無理をしない生活をしていればよいと思います。

 一時的に眼圧を上げるので、緑内障によくないといわれてきた生活上の注意事項があります。たとえば、首回りのきついシャツを着たり、過度に興奮したり、うつむいて長い時間仕事をしたりすることです。また、短時間に大量の水(1リットルぐらい)やカフェインを含むお茶やコーヒーなどを飲むのも、眼圧を上げることが知られています。しかし、こうしたことは、極端なことをしないかぎりあまり気にせず、一応知っておくだけでよいでしょう。

 不幸にしてみえ方のわるい人では、日常生活に制限が加わりますが、そうした人でも、残された機能のなかで、できることはなんでもしてよいと思います。あまり神経質にならずに生活を楽しむことが、目にもよい影響を与えることになります。


ほかの薬の服用
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 緑内障の人がほかの病気になった場合、その薬が緑内障にわるい影響を与えるかどうかは重要です。緑内障に影響する薬には、かぜ薬など薬局で買えるものから、抗ヒスタミン薬、血管拡張薬、精神科の薬までいろいろあります。

こうした薬で実際に緑内障が悪化した例はまれですから、危険性は少ないのですが、医師に薬をもらうときには、緑内障のあることを告げておくことが必要です。心配なときには、緑内障の主治医に尋ねてみるのがよいでしょう。


ほかの検査の際の注意
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 胃のエックス線や胃カメラなど、全身のいろいろな検査や治療をするときに使われる薬のなかには、緑内障に影響するものがあります。したがって、こうした検査などを受けるときにも、緑内障であることを告げておく必要があります。


早期発見のために
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 緑内障は早期に発見され、適切に管理されると、まったく問題のない一生を送ることのできる病気です。そのためには、自覚症状のないうちにみつけなければなりません。緑内障の多くは中高年からおこってくる成人病ですから、人間ドックなどの成人病検診で、眼圧、眼底検査を受けていれば多くの緑内障は発見できます。身内に緑内障の人がいる場合、強度近視の人、糖尿病の人などは緑内障になりやすいとされていますから、注意しましょう。