株式会社清和物産




原因
水・食物を介して、A型肝炎ウイルスが口から入ります。そして腸管内で増殖し、門脈を通って肝臓のなかに侵入し、平均30日の潜伏期間で肝炎をひきおこします。
症状
発熱・全身倦怠感・食欲不振・悪心など、かぜに似た症状がはじまりで、39度台の高熱を発することがしばしばあります。数日後には黄疸が出現しますが、8週以内には完治するといわれている自然治癒率の高い病気です。

約10パーセントに黄疸を呈する胆汁うっ滞型の経過をたどりますが、臨床上とくに問題とされているのは劇症化の例です。B型肝炎に比べ少ないのですが、高齢者では腎不全を併発する例があって、重篤化するおそれもあります。
診断
A型肝炎ウイルスの特徴である血清中のIgM型(免疫グロブリンM型)HA抗体(A型肝炎抗体)の測定によって、診断は容易とされています。

これは抗原抗体反応を利用した方法のため、早期すぎると陰性となる可能性があるので、時期がたってから再検査する必要があります。肝機能検査の1つである血清のトランスアミナーゼという酵素(GOT、GPT)の上昇がみられます。
治療
A型肝炎は予後良好な病気で、特殊な治療法は必要ありませんが、肝血流量の確保、肝細胞の修復のために、安静を心がけます。黄疸が出現したら、入院して安静を保ち、バランスのとれた栄養による食事治療が必要です。

食欲のないときは、ブドウ糖、ビタミンなどの点滴栄養を補液します。  B型肝炎、C型肝炎と比較すると、劇症化の発生頻度は低率です。A型肝炎の劇症例の特徴としては、腎不全の合併があげられますが、重症化して、乏尿状態になったり、BUN(尿素窒素)、血清クレアチニンが上昇したときは、早急に血漿交換療法が必要となります。
予防
日本では15歳以上の90パーセントの人が、A型ウイルスに対する抵抗力を示すHA抗体をもっています。HA抗体をもっている人は、感染しても発病はしません。

HA抗体非保有者では、井戸水や生もので感染する機会があります。このような人は、免疫グロブリンの筋肉内注射で、約3か月間の感染予防が可能です。

このA型肝炎ウイルスの汚染地区には、アジア、アフリカ諸国があります。これらの国々への旅行には、前もって免疫グロブリンの注射またはA型肝炎ワクチン(2回接種)を受け、長期滞在の場合は6か月後に追加接種を受けるようワクチンを持参するとよいでしょう。とくに、40歳以下の人にはHA抗体のない人が多いので、注意をしてください。


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