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現在三大成人病と言われている、ガン、心臓病、脳卒中についてのお話です。


ガ ン
がんは遺伝子の病気  
 ヒトのからだは、約60兆個の細胞からできています。そのうち1個ないし数個の細胞ががん化し、増殖します。
 がん化はどの細胞にもおこるというわけではありませんが、分化しつつある細胞や、未分化の細胞におこり、分化してしまった細胞にはおこりません。
 がん化には、いくつもの段階があり、かなり複雑です。
 しかし、ある特別な遺伝子(がん遺伝子と呼ばれています)の欠失・変異・増幅・転座といって、遺伝子が切断、染色体が欠、染色体の一部がほかの染色体の位置に換わったりすることがおきることが、がん化には必要とされています。

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がんの発生原因の多くは、われわれの環境にある  
 疫学的な調査によると、がん発生に寄与する環境要因は、食生活35パーセント、喫煙30パーセント、職業性4パーセント、環境汚染2パーセントと推定されています。
 逆にいえば、食生活を改善することでがん発症の35パーセントが、禁煙によって30パーセントが予防できるということです。

がんの発育には長い年月が必要  
 がんの自然史や発がんの機序が明らかになってくると、細胞ががん化してから、臨床的に発見可能な大きさのがんに発育するまで、10〜30年かかることがわかってきました。
 このようにがんの発育に長期間かかるならば、この間に発がん因子を遠ざけることによって、がんの発生を抑えること、すなわち予防ができるはずだと考えられるようになってきました。

ある種のがんは、ウイルスにより発生する  
 最近、肝がんの大部分はB型肝炎ウイルスと、C型肝炎ウイルスによって発生すると考えられています。九州地方に多い成人T細胞性白血病やアフリカに多いバーキットリンパ腫もウイルスによるとされています。
 ですから、これらのがんでは、ウイルス感染を防止することによって、がんの予防ができることになります。また、ワクチンによる予防の可能性も出てきました。



心臓病
虚血性心疾患
(きょけつせいしんしっかん)
 心臓は、筋肉でできた「にぎりこぶし」ぐらいの大きさのもので、筋肉(心筋)が収縮と拡張をくり返して、血液を全身に循環させるポンプの役割をしています。
 この心筋に栄養を与えている血管を冠動脈といいます。
 この冠動脈は、心臓の表面をとりまいて走行しており、大動脈から2本左右に分枝しています。
それぞれを、左冠動脈と右冠動脈といっています。
 左冠動脈は、その後2本に分岐し、左前下行枝と左回旋枝となります。
この左冠動脈が2本に分かれるまでを、左冠動脈主幹部といい、ひじょうに重要な血管です。
 狭心症や心筋梗塞は、冠動脈の血管内腔が狭くなったり、つまったりするために、心筋への栄養補給が不足し、心筋に酸素欠乏をおこして発病します。
 これら冠動脈の病気を虚血性心疾患といっています。
 冠動脈の内腔が狭くなる原因の多くは、動脈硬化症ですが、ほかにも膠原病、川崎病(MCLS)などがあります。

関連ページ :心疾患



脳卒中
 脳卒中は、以前は、外傷や炎症を除き、突然に意識消失と重大な神経症状(運動麻痺や知覚障害など)をおこす、すべての脳疾患を意味していました。
 卒中とは卒(にわかに)中(あたる)という語源よりきています。
中風とか中気ともいわれていました。
 現在では、本来の意味を離れて、ほとんど脳血管障害の意味で使われています。
 脳血管は、脳の細胞に酸素や栄養分を運ぶ血液を送るという大切なはたらきをしています。
このため、脳血管が破れて出血したり、動脈硬化などで血管内腔が閉塞して、その先の部分の脳細胞に血液がいかなくなると、脳細胞は酸素欠乏と栄養不足となります。
 この状態を虚血状態といい、これがしばらくつづくと、脳細胞は死んでしまいます。
しかも、脳細胞は、心筋細胞と同様に一度死ぬと再生しません。
 その脳細胞が四肢の運動に関係があれば、手足の麻痺がおこります。
感覚に関係があるなら、しびれなどの知覚障害がおこります。
言語に関係する場合には、言語障害がおこるというように、症状がいろいろなかたちで出てきます。
ただし、症状は脳の障害側の反対側に出ます。その理由は、大脳から出る運動の指令は、錐体路という神経線維を通って下行し、手足などにいきますが、途中の延髄にある錐体交叉というところで反対側に移動して下行するからです。
 また、知覚の場合は、皮膚などの知覚神経から脊髄に入り、視床をへて大脳の知覚中枢まで上行しますが、このとき脊髄で反対側に移動してから上行するからです。
 このような脳卒中の種類には、脳の病理的変化によって分けると、脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞の3つがあります
関連ページ :   脳血管疾患


■腸内細菌は免疫系、血管系にも深く関係しています。

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