株式会社清和物産



かぜ症候群(1)

急性状上気道炎
 急性上気道炎はよく知られた病名ですが、かぜ症候群と同様に用いられています。

 急性鼻炎、急性扁桃炎、急性咽頭炎、急性喉頭炎などが含まれます。おもに上気道の炎症を呈した場合の総称です。

 普通感冒は上気道炎のなかでも、おもに鼻みずや鼻づまり、くしゃみなどの鼻炎症状が強く、全身症状が軽いもので、いくつかのウイルスにより発症しますが、おもにライノウイルスによっておこることが多く、予後は良好です。いわゆる鼻かぜにあたります。


急性咽頭炎

 
咽頭の粘膜に炎症を生じ、赤くはれた状態をいいます。

 多くはかぜ症候群の部分症であり、おもにアデノウイルスやインフルエンザウイルス感染でおこります。二次的に細菌感染が生じるとさらに悪化をきたします。

 疲労や喫煙、歯の病気や副鼻腔炎などが誘因となり、また粉塵や刺激ガスや大気の乾燥などによっておこる場合があります。
(症状)
 比較的急に、のどが赤くはれることが多く、異物感や乾燥感があり、ものを飲みこむときに痛みを感じたり、ときには耳のほうに痛みがひびくことがあります。
 また、せきばらいやからせきをともなったり、発熱や全身倦怠感をきたす場合があります。
(治療)
 急性のものには重曹水、食塩水、イソジン液でうがいをしたり、咽頭にルゴール液を塗布します。感冒薬やトローチ、消炎薬を使用するほか、二次的細菌感染による悪化防止のため、抗生物質を用いる場合があります。


急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍

 
急性咽頭炎と同様な原因で発病しますが、口蓋扁桃、咽頭扁桃、舌扁桃などに強い炎症を生じるものを扁桃炎といいます。
 扁桃には、ふつうでも多種の菌(常在菌)が潜んでいますが、かぜをひいたり、過労などでからだの抵抗力が低下しているときに強い炎症をひきおこします。合併症としては、中耳炎や肺炎をおこしたり、溶連菌感染を受けると、後にリウマチ熱や腎炎をきたすことがあります
(症状)
 症状は咽頭炎よりも強く、全身倦怠、頭痛などとともに寒けや高熱をきたし、のどの痛みが強く、顎下のリンパ節がはれ、扁桃上に白色の苔がついたり、膿栓(白い膿のかたまり)や潰瘍をともなうことがあります。ものを飲みこむときに強い痛みを生じ、食事をとることができなくなる場合もあります。

 炎症がまわりに広がったものを扁桃周囲炎といい、化膿してきたものを扁桃周囲膿瘍といいます。
(治療)
 保温と安静を保つことが大切です。のどの処置は咽頭炎と同様の治療を行ないますが、抗生物質を服用します。のどの冷湿布により痛みが軽くなることがあります。

 ふつう、1週間ぐらいで改善しますが、扁桃周囲膿瘍になった場合は、外科的に切開し、膿を出すことが必要となります。