株式会社清和物産

肥満症(ひまんしょう)




  体内に脂肪が過剰に蓄積した状態を肥満といいますが、それによってからだに異常をきたす場合を肥満症といっています。すなわち、単に体重が多いというだけではなくて、そのために呼吸器や循環器の病気がおこったり、糖尿病や高脂血症がおこる状態です。


(診断)

肥満であるか否かを知る方法として、もっとも広く使用されているのは体重です。

 標準体重を(身長〈センチ〉−100)×0.9で計算して、現在の体重がそれより20パーセント以上多い場合に肥満とします。あるいは体格指数を用いて、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った値が、25以上あれば肥満とします。
 また最近では、脂肪が、からだのどの部分に多くついているかが問題とされています。脂肪がお腹から上についている場合を上半身肥満(リンゴ型肥満)、お尻から下についている場合を下半身肥満(洋なし型肥満)といいますが、上半身肥満の場合に糖尿病や高脂血症などの病気を合併しやすくなります。

 また、同じ上半身肥満のなかでも、腹部の皮下に脂肪がたまっていることよりも、内臓に脂肪がたまった場合のほうが、病気をおこしやすいということです。

 上半身肥満かどうかを知る簡単な方法は、腰回り(ウエスト)と尻回り(ヒップ)を測って、割った値(ウエスト÷ヒップの値)が女性で0.8以上あれば判定できます。



(治療)

肥満症の治療の基本は食事療法です。食事療法の原則は、

(1)1日に摂取するエネルギー量の制限、
(2)栄養素のバランスをよくすること、
の2点です。

 (1)1日摂取エネルギー量の計算は、その人の理想体重を目標にして計算しますが、現在の体重が極端に肥満している人に対しては制限がよりきびしくなります。
 通常よく用いられる量は、1日1200〜1600キロカロリーです。高度の肥満者は入院して、超低カロリー食(420キロカロリー)を施行することもありますが、これにはかならず医師の管理が必要です。

 (2)栄養素のバランスをよくすることは、長期の食事療法において忘れてはならないことです。栄養素には糖質、脂質、蛋白質の三大栄養素がありますが、これらが必要最小限に含まれていなければなりません。また、ビタミンやミネラルは豊富にとり入れることが大切です。これらに注意してバランスのとれた食事をとるようにしましょう。

 一般に肥満者は運動量が少なくなりがちなので、無理のない程度の運動(主として歩行運動)を毎日行なってください。食事療法とともに適切な運動療法を行なうことにより、いっそう減量効果が期待できます。
 やせ薬を希望する人はたいへん多いのですが、現在、日本には適当なやせ薬は市販されていません。薬が本当に必要な患者がいないからだと思います。
 強い意志で、減量に挑戦することがいちばんの良薬です。





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