株式会社清和物産



肥 満 の お 話




(幼児、学童期の病気) 肥満(ひまん)(ふとりすぎ) -------------
 重要な成人病である動脈硬化や高血圧は、すでに小児期から始まっていると指摘されています。
 というのも、この成人病の誘因となる肥満児がふえており、思春期に肥満であったもののうち70パーセントが成人肥満になるといわれているからです。
 肥満とは 肥満度が20パーセント以上の場合をさし、軽度肥満、中等度肥満、高度肥満に分けられます。
 まれに特別な病気の症状の1つとして肥満となる症候性肥満がありますが、ここでは一般的な肥満(単純性肥満)について述べます。
(対策)
 食生活を含めた生活習慣の改善が必要となりますが、実際には生活習慣を変えることはかなり困難をともないます。
そこで、家庭やその子にとってできることから始め、それを持続することが大切です。
 (1) 食生活を規則正しく、家族とともに楽しむようにする:朝食を食べない子、1人で加工食品を食べる子、夕食を きちんととらない子、夜食をとる子などに肥満児が多い。
 (2) 洋風料理より和風料理を:洋風料理は一般に脂質が多い。
 (3) 加工食品や外食を減らす。
 (4) 間食のスナック類、ジュースなどを減らす。
 (5) 大皿盛りや早食いできる料理を減らす。
 (6) 室内でごろごろ、だらだらしている生活から戸外でからだを動かす生活へ。
 (7) 家事の手伝いをさせる:ふとんの上げ下ろし、洗車、買い物、掃除など。



(脂質代謝異常) 肥満症(ひまんしょう) ------------------
 体内に脂肪が過剰に蓄積した状態を肥満といいますが、それによってからだに異常をきたす場合を肥満症といっています。
すなわち、単に体重が多いというだけではなくて、そのために呼吸器や循環器の病気がおこったり、糖尿病や高脂血症がおこる状態です。
(診断)
 
肥満であるか否かを知る方法として、もっとも広く使用されているのは体重です。
(図:肥満とやせの判定図/ 30〜39歳40〜49歳50〜59歳60〜69歳 …資料・厚生省)
 標準体重を
(身長〈センチ〉−100)×0.9で計算して、現在の体重がそれより20パーセント以上多い場合に肥満とします。
 あるいは体格指数を用いて、
体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った値が、25以上あれば肥満とします。

 また最近では、脂肪が、からだのどの部分に多くついているかが問題とされています。
 脂肪がお腹から上についている場合を上半身肥満(リンゴ型肥満)、お尻から下についている場合を下半身肥満(洋なし型肥満)といいますが、上半身肥満の場合に糖尿病や高脂血症などの病気を合併しやすくなります。
 また、同じ上半身肥満のなかでも、腹部の皮下に脂肪がたまっていることよりも、内臓に脂肪がたまった場合のほうが、病気をおこしやすいということです。  

 半身肥満かどうかを知る簡単な方法は、腰回り(ウエスト)と尻回り(ヒップ)を測って、割った値(ウエスト÷ヒップの値)が女性で0.8以上あれば判定できます。
(治療)
 肥満症の治療の基本は食事療法です。食事療法の原則は
(1) 1日に摂取するエネルギー量の制限、
(2) 栄養素のバランスをよくすること、 の2点です。

(1) の1日摂取エネルギー量の計算は、その人の理想体重を目標にして計算しますが、現在の体重が極端に肥満している人に対しては制限がよりきびしくなります。
 通常よく用いられる量は、1日1200〜1600キロカロリーです。高度の肥満者は入院して、超低カロリー食(420キロカロリー)を施行することもありますが、これにはかならず医師の管理が必要です。  

(2) の栄養素のバランスをよくすることは、長期の食事療法において忘れてはならないことです。
 栄養素には糖質、脂質、蛋白質の三大栄養素がありますが、これらが必要最小限に含まれていなければなりません。
 また、ビタミンやミネラルは豊富にとり入れることが大切です。
これらに注意してバランスのとれた食事をとるようにしましょう。
 
関連ページ : 肥満体質の方におすすめの食べ物
一般に肥満者は運動量が少なくなりがちなので、無理のない程度の運動(主として歩行運動)を毎日行なってください。
 食事療法とともに適切な運動療法を行なうことにより、いっそう減量効果が期待できます。
 やせ薬を希望する人はたいへん多いのですが、現在、日本には適当なやせ薬は市販されていません。薬が本当に必要な患者がいないからだと思います。  強い意志で、減量に挑戦することがいちばんの良薬です。

 (医学書より) 

 

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